EAsT 135 | ~イースト135~ 神戸市西区で米や野菜の有機農業。

活動記録

田植えイベント2021レポート

今年もやってまいりました、この地大谷での田植えのイベント。こうやって「今年も…」といえるようになるくらいやってきたんですね。三年目です。たかが三年、されどの三年。1年の間に田植え~草刈り~収穫~収穫祭など盛り込んでいるので中身の濃い催しです。耕作放棄地を田に変えてみる、育ててみる、収穫してみる、これはひとりではなかなかできません。みんなでやるから意味もあるし、おもしろかったりもします。

今年は天候にヤキモキさせられることなくこの日を迎えたなぁという気もします。一年目は直前まで雨が続き田んぼに水があふれ前日には車が抜け出せなくなったり、二年目は風が強かったりコロナという事態に開催そのものをどうするのか検討せざるをえなかったり。
天気に一喜一憂することなく、密を考慮して当日を迎えた今年は人数も約60名ほどで暑い太陽光線もあるでなく(途中あったか?)、ほどよい梅雨の6月の一日となりました。

田植えのための苗をバケツに入れて人数も半分に分かれて田んぼを向かい合わせにはさみ、線に沿って植え込んでいく。この植え込み作業、毎年いろいろ工夫しているんですよ。三本のロープに均等な間隔でつけた赤い印。植え込む目印となるこの座標をめやすに苗を田の中へ。一年目はロープが切れたり二年目はたわみまくったりしてきて、改良と思案を重ねてまいりました。今年はこどもが股にはさんでロデオのようになったりもしましたが、みなさんの呼吸と端と端を持つスタッフの技のおかげですすめていくことができました。
この田植え作業、最初に田んぼに足を入れたときのあの感覚。想像以上に深くくいこむ足、次の一歩が踏み出せなかったり、あらぬ方向に向いてしまったり。共同作業ですからいつまでもまごついてもおれず、腰をかがめてとにかく苗を田んぼの中へ。足を泥の中から引き上げてまた次へ。みなさん今晩熟睡してるでしょうかね?明日は体のあちらこちらが悲鳴をあげてたりしてね。でも、それを上回るここちよさがあったとしたら、本望です。

この作業、どれくらい時間をかけたのでしょうか。田んぼのはるかさきの対面する相手が近づいたところで、田植えは終了です。
足や手をじゃぶじゃぶ洗って休憩して、次なる作業がはじまりました。米ぬかなどを発酵させた肥料をその田んぼにまきます。まんべんなく行き渡るように放っているころには空も青いところが見えてくるようになってきました。いい汗かいたところでお腹もすくころです。

田植え作業に並行して、テントエリアでは食事の支度がすすめられていました。お釜で(今回はふたつ)米を炊き、味噌汁を煮込み、野菜を焼いたり蒸したり。どれもbio creatorsなど、今日そこにいるメンバーがつくったものです。
また、ごはんにかけるエゴマのふりかけや梅・豆乳マヨ・味噌などの滋味あふれるデイップの味わい深さ。これをしあわせといわずしてなんというでしょう。
このイベントの楽しみというか醍醐味のひとつがまさにこういった食事の数々です。今年はお茶も自分たちで栽培して収穫した麦から煎った麦茶でした。土から空気から食べ物から栄養いっぱいもらってる感じです。準備から調理からなにから、ありがとうございました。

この地でのイベントにて、こどもたちの存在もまた彩りあふれるもののひとつです。田んぼの深さにこわがったり、体にかかる泥に叫んだり、泥をだんごにしたり、草を剣に見立てて戦ってたり、虫をつかまえたりおびえたり。あちこち探検したりするその姿はほんとにほほえましい。今日という日が思い出のひとつになってくれてたらほんとうれしいな。笑顔や歓声ひとつひとつが愛おしかったな。恐竜のフィギュアを田んぼに配置してたのもかわいかったし、それみてレイアウトあれこれ変えてる他の子たちの姿もよかったな。なんかみんなすくすくおおきく育ってね。

あっという間の田植え作業のイベントでした。とくにケガもなくトラブルもなく(なかったですよね?)終われたのはみなさまのご協力のおかげだと心底思います。ひとりひとりの力と思いが集まって成せたものだと、みなさまに感謝しております。
みなさまが汗をかいて腰をくだいて植えた一本一本の苗は、いまから太陽の光を浴びて水を吸って秋まで成長していきます。また折にふれてそのさまを観察してください。スタッフはほぼ毎週作業しておりますので、気になる方はEAsT135のHPを覗いてくださいね。今日、カメラマンとしてあちらこちらそちらどちらに駆け回って撮影してくれたフィガロウエブの飯田さん作成のHP、とてもきれいですよ。

毎年のように展開される天候不順、外出も制限される世界的な緊急事態、いろんなあんなこんなでみなさまも窮屈で不安な思いを味わっているかもしれません。もしそうだとしたら、それで今日という日がすこしでもそれらを払いのけられたとしたら、それはわたしたちの願うところのひとつであります。みなさんの笑顔をたくさん見られたし、子どもたちの元気っぷりもたっぷり見えた。ありがとうございます。うれしいですよ。ですから、よければ次回のイベントでもまたいい笑顔で再会しましょう。食の力はひとを元気にさせるなあ、とあらためて思いました。わたしたちがまた気持ちを奮い起こしておもしろいものをつくりだす原動力です。それをみなさまからいただいた気がします。
それでは、また!

(文・丸山)

・献立 …そらまめごはん(えごま塩をふりかけ)、みそ汁、ホイル焼き野菜(ディップに豆乳マヨネーズ、麦みそ、梅干し、醤油麹)。
・調理指導 … ネイバーフード 安藤さま
・ビールかす提供 … IN THA DOOR BREWINGさま

ありがとうございました。

フォトギャラリー

おまけ・畑の生き物

今年もEAsT135の田んぼには、たくさんの生き物がいました。
子供たちは自分たちで、畦を走って驚いて川に落ちたバッタを草の茎で釣り上げる「バッタ釣り」を考案して遊ぶなどしてました。
子供達には農業を通じてたくさんの生き物に接してほしいものです。