青い空の下の草とり作業と迷えるじゅんこの話
大谷で植えた稲もしっかり大地に根ざしているんですが、同じように稲の周りでは他の草々もまた根を張ってるんですよ。水もあれば太陽光線もあるしそりゃすくすくどちらもこちらも伸びるものですな。共存してくれりゃそれはそれでいいんですが、稲が圧倒されて生育に影響出てしまうんで、やっぱり草を取らねばなりません。除草作業が成り立つわけです。
これからしばらくはこの仕事が手ぐすね引いて待ってます。最近は雨も少ないもんだからほどよくいろんな草が田んぼの中にいます。雨がよく降って水もたまってればまぁいいんですが、最近の日々の様子ではがっつりわたしら働かねばなりません。自然の法則にさからってんだかなんだかですが、とにかくそんな作業が幕開けとなりました。
「恋と同じですよ」とは、かとうまさきくん。
「植えてしまえばおしまい、と思ってませんか?
育む気持ちが大切なんです。そりゃ時には投げだしたくなることもあるかもしれない。あせらず自分を信じて相手も信じて。でもやっぱり恋と同じで、ちょっとは溺れたっていい」
さぁ作業です。去年もその前もやりましたね、発動機つきの除草機と手動のそれと。
交代で入れ替わり立ち替わり田んぼの中を進むわたしらと。ギンギラギンにさりげなく照りつける日差しと。突然の訪問に逃げるカエルたちと。青い空の下、順番に勤しみました。
毎度毎年ここに記してる気もしますが、田んぼの中を歩むのはなかなかにたいへんです。足はとられるわ腰はいたいわ目はしばしばするわでこれひとりでやってたら修行の感に堪えないでしょうね。
でもまあ、わたしらみんなでやってるんですよ。ここがありがたいとこだしうれしいとこです。端までゆけば交代して、ガソリンきれたら誰かが補充しにきてくれて、重い機械の向きを変えるのがしんどそうなおじさんには若人が手をさしのべて。すばらしき風景じゃありませんか。空は見上げりゃ青いんですよ。足元には稲が水に揺れててね。前みりゃ仲間たちが汗流して働いててさ。あぁいいなぁ。平和だなあ。争うことよりよっぽど大切ですよ。だからがんばりますよ。
まぁそういいながらもしんどいことは事実で、わたしなんか普通に世間話してるテイで息あがってましたからね。ひろちゃんとイチゴの話しながらまぶたの奥では星がちかちか明滅してましたわ。
そんでも栗左ェ門ことクリスはほんと力持ちだなぁ。あの重い発動機つきのやつをいとも簡単に反転させて。またこいつは優しいんですよ。笑顔で、ふらふらのわたしの仕事をひょいと担ってくれて。まこちゃんもこつこつと草取りしてるし楽しんでるし。かとうまさきくんももう余裕ですしね。作業の途中でMr.Hatchが退席しました。このあとの休憩のときの、わたしたちに茶を馳走する準備のためです。湯を沸かしステキな音楽を奏で香りふくよかな紅茶を淹れてくれて茶請けまでくれる。Hatch氏いつもありがとう。
そんなこんなで今日もおわりました。みんないつもありがとう。そうして野郎どもが自然の中で汗をかいてる同じころ、じゅんこさんは高速道路の進行をあやまり垂水区内で降りるはずが弾丸日帰り淡路ツアーとなっておりました。