EAsT 135 | ~イースト135~ 神戸市西区で米や野菜の有機農業。

活動記録

2022年田植えイベントレポート

田植えイベント報告2022 つながりがひろがっていく西区の空の下

今年の田植えの催しがはじまりました。四十数名の方々が参加されたこの日は、うっすら雲のかかる涼しいくらいの気候。田植え日和といってもいいような日曜日でした。毎年見る人たち、新たに出会う顔ぶれ、子どもたち、赤ちゃん、それからわんちゃんもいたりして、天候とおなじくらい和みます。視界を横に展開すればヤギも二匹いたりして。「アキラ(オス)」と「ぼたん(メス)」が、なんだなんだ今日の日は、と時々眺めております。

そうです、イベントとして四年目を迎えるこの田植えも今回から場所を変えました、大きな変更です。今までの三年間は大谷という地で行ってきました。周囲を森に囲まれた、秘境のようなところ。その耕作放棄地に田園風景をもいちど呼び戻す活動がこのEAsT135でした。子午線135℃とからめた物語は背よりも高い草を刈るとこからはじまり、溝や畦を清掃して米や麦を育てて藁をたばねたり流しそうめん食べたりしてました。でも、水が流れなくなる、上流のため池がつかえなくなるなどの事情によりこれ以上の場所の使用はムリと判断したんです。去年の米の収量はやっぱりきびしく、参加されたみなさまにも申し訳ないなという気持ちがさびしくのこりました。それでは新たな田んぼはどうするぞなもしというときに、人から農地を使ってくれないかと打診がありました。高齢化して今後も田を維持するのは難しいという話、わたしたちにしたら大谷の近くだし有り難い話、という経緯で田んぼ活動は続きます。

長方形の田んぼの端と端に参加者が向かい合わせになるように並んでもらい、苗を植えていきます。
ここで棒に四本の長いヒモを結わえた道具が登場します。考案したのはエキゾチックジャパンおけたに氏。あちらの畦からこちらの畦まで渡ったヒモに等間隔の印がついています。そこをめやすに苗を植えていくわけです。思えば毎年毎年、カサブランカダンディおけたに氏の道具が活躍しているわけで、その進化といいますか工夫の結晶には驚嘆の念しかありません。

さぁ田植えがはじまりました。長靴の人も靴下で臨む人も子どもも大人も最初の一歩にともなう歓声と悲鳴。足をとられたり手がばたついたり。いつもだれかハデにしりもちついてくれないかなと思うわけでありますよ、被写体としてはかっこうの材料なので。すみませんね、ひんしゅくな発想で。
四本の線に植え終えたら、スタッフがまたヒモを移動します。これを繰り返すうちに、やはりみなさん上達してくる、腰の角度、片手に苗をつかんでもう片方で泥の中へ植え込んでいく。空いてる箇所にすぐさま補充、早い早い。名人といわれる子どももいたり、裸足で突入する人もいたり、それぞれはつらつに動いていました。背中におぶさった赤ちゃんのあの姿。よく見りゃ気持ちよさげに寝ています。昔昔の田園風景ってこんなんだったのかなとか思いを馳せました。

畦に咲くクローバーの花を集めて花飾りをつくる子、ぴょんぴょん跳んでいく虫に目を奪われる子、お風呂のようにしゃがんで田んぼにつかってる子もいました。名人の子はいつしか永世名人となっておりましたよ。

田植え作業は、トントン拍子にすすんでいきました。ちょっと正直なところ、すべて完了しないかな、後日スタッフが植えるのかなとか考えたりもしましたがそれも杞憂、思いは昼食にキュー、陸に上がりしばしの休憩となりました。
そうです、薪をくべてご飯を炊き、味噌汁を沸かし、お漬け物をこさえているかぐわしいランチの場が眼前にひろがっております。今回もミホさんにお願いして、五感をくすぐるすばらしいお昼ご飯がやってまいりました。お米も野菜もスタッフの栽培したものです。

ぼかし肥料を田んぼにまいている間にできあがった料理の数々を食べながらの休息です。言わずもがなの労働のあとの食事の美味しさ楽しさ心地よさ。二升炊いていたはずのご飯がみるみるうちになくなりました。時折ふく涼やかな風、やわらかな太陽光線、それらが食欲を増進してくれたのかなとも思います。
ごく個人的な実感としては、あっという間におわったなという田植えの作業の今日。みなさまも楽しんでいただけたでしょうか。収穫イベントは予定としましては10月2日であります。それまでに月一回の催しを企画しております。草刈りとかね。田んぼにはたくさんたくさん他の草も生えてくるんですよ。みなさんの力が必要なわけです。企画などはあくまで予定ですので、詳細や情報更新はこのHPなどで今後もお伝えしていきますね。
みなさまお疲れさまでした、それからありがとうございます。また今年もこのイベントを開催することができました。そのことについての感謝です。スタッフも、準備や後片付けなどいつもありがとうです。日々のみんなの献身的な管理がなければ田んぼは維持されませんよ。

では、また次の機会に!

(文・丸山 / 写真・飯田)

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